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「思い出横丁」酒の肴 [新宿]

今日は朝から適度に涼しくて、とても過ごしやすい一日になりました。梅雨も一休みといったところでしょうか。

 

(今日の大門浜松町は一日中曇り)

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さて、昨日は新宿西口の「思い出横丁」を簡単にご紹介しました。本当はそこで当時の同僚たちとの会話を織り交ぜながら、記事にもう少し味付けをしようと思ったのですが、時間に余裕がなかったので塩っ気のないあっさり味で終わってしまいました。ということで、本日はその頃「思い出横丁」で耳にした一番印象に残っている社内ゴシップを綴ってみます。お時間がございましたら、暫しお付き合いください。

時は、ニューヨーク、セントラルパークにあるプラザホテルで行われた5カ国蔵相会議によるいわゆる「プラザ合意」のあった年、ちょうどバブル経済発生前夜です。


☆  ☆  ☆

「ところで、お前、太田係長の話、聞いた?」

「え? なんかあった?」

「知らないのかよ。お前の上司だろ」

「だから、何なんだよ。もったいぶらないで言えよ」

「あの人、来月結婚するんだって」

「へ〜、そうなの。しかし、このクジラ刺しって珍しいだけで、大して美味しくないよな」

「そんなことより、相手は誰だと思う?」

「それこそ、どうでもいいだろ」

「ほんと、お前は鈍感というか、何事にも無関心というか・・・」

「めんどくせぇな~、じゃ、誰なの?」

「総務の佐藤さんだよ!」

「ほぉ~、そう来たか! あの人もぼーっとした感じだけど、裏では結構やってんだ」

「俺、それを聞いた時、ほんとびっくりしてさぁ。なんであんな美人が、よりによって、あの係長と。あの髪型、どっから見てもベートーヴェンだぜ」

「まっ、確かにモテるタイプではないな。でも、あの人、顔に似合わず、結構優しいからな~。いや、もしかして、あっちの方がめちゃ上手だったりして・・・」

「おい!そんな追い討ちかけるようなこと言うなよ。あぁ~あ、世の中ってどうしてこうなるのかね~」

「次、熱燗にしていい?」

※本来はこのあたりで、状況をご理解いただくために、会話者の描写を挟みたいところなのですが、小説ではありませんので省略します。そして、いよいよ同僚の話が佳境に入っていきます。

「さて、そこでだ! 話はそれだけではない・・・」

「・・・」

「実は先週の蓼科の研修で、ベートーヴェンと同期の水上さんと一緒の部屋になったのよ。都合のいいことに、あの人も飲める口で、しかも俺と同じでゴルフは全くやらない。そんなんで、翌日の昼から外で飲もうという話になってね。ほら、お前と行ったことのある天ぷらの美味い蕎麦屋があっただろ。そしたら、水上さんが酔っぱらったみたいで、まぁ~、しゃべるわ、しゃべるわ・・・」

「水上さんって、去年まで設計部にいた人だよな。へ~、あの人、同期なの? 係長が老けてるからか、そんな風には見えなかったなぁ」

「ここからは、さすがのお前もびっくりするぞ! 水上さんによると、なんとあの佐藤さんが1年前まで不倫していたらしんだ。しかも、社内不倫・・・」

「えぇぇ~、まじかよ? で、で、そのお相手は?俺の知ってる人?」

「知ってるもなんの、我が統括部のトップ、そう、ポマードピカピカの田中部長だよ」

「なるほどね、確かにダンディーだよな。それにお金持ってそうだし・・・」

「話はそれだけじゃないんだ。何と、ベートーヴェンはその事を知ってた上で結婚を申し込んだらしい。当然、二人が別れた後だったみたいだけど。まっ、あの娘となら俺もそうしたかも。ただし、俺の場合は即刻会社を辞めるけどね!」

※このまま会話を続けていくと、明日の朝になってしまいそうなのでこの辺にしておきますが、この件に関してはちょっとした後日談がございます。

数年前、私がその会社で公私ともに大変お世話になった元社長が亡くなり、先ほどの同僚と待ち合わせをして、葬儀に参加しました。二人で待合室に行くと、ベートーヴェンの面影もなく禿げ上がった太田さんと年を重ねたものの相変わらず美人の旧姓佐藤さんがいました。私は二人に軽く挨拶を済ませて、奥の方に目をやると、そこにはポマードで濡れたオールバックの元統括部長(現在、専務取締役)の姿が。そこで4、5人に囲まれ談笑している元部長の髪は、見事なロマンスグレーに変わっていました。

葬儀が終わり、久しぶりに再会した同僚と居酒屋で飲んでいると、同僚の口からまたまた驚きの話を聞くことになりました。なんと旧姓佐藤さんと元統括部長の不倫関係は結婚後も数年続いていたということでした。
 
昔と違って、その時ばかりは虚しい思いだけで、酒の肴にもなりませんでした。全てはあの係長の『運命』だったのか?! それは、私にはわかりません。おわり
 








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ニッキー

バブル期ってそういう話結構ありましたよねぇ(⌒-⌒; )
かみさんが友達と飲みに行って、繁華街を歩いてたら
ばったりそういう2人(上司(妻子持ち)と部下の女性)に会って
上司さんの方が、いきなり寿司を奢ってお土産まで持たせてくれたそうですw
結婚した後も続けてたのにはびっくりですが(°_°)
by ニッキー (2019-06-11 19:37) 

kiki

若い頃、
夫とお洒落な出来立てビアカフェに行きました。
我が家、出来立て以外はお酒の席に、
滅多に行きません(笑)
そこで、夫の同僚に会いました。
若い女子を連れていました。
我々は知らないふりをしていましたが、
同僚は私たちのテーブルに来て、
暫く言い訳をしていました。
関心がありませんが、不快でした。
罪悪感とか持っていない人たちでしょうね。

by kiki (2019-06-11 21:38) 

小松達也

(ニッキーさんへ)
その鮨は「内緒にしといてね!」の鮨だったわけですね!
奥様は、素直にラッキーだったと思えたのかなぁ~
ニッキーさんは、美味しく頂いたと思いますが・・・
冗談です!(^^;

(kikiさんへ)
えぇ~、わざわざテーブルまで来て、それですか?
なんだかなぁ~って感じですね。
見られた方も気まずいでしょうけど、
たまたま見てしまった方もいい気分にはなれませんよね!
いつも、コメントありがとうございます。^^

(あとがき)
ベートーヴェンの『運命』に一言欲しかった!><

by 小松達也 (2019-06-12 12:58) 

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