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不道徳教育講座 [本]

今日は一日中雨でした。明日の予報は一転して晴れなので、洗濯物の花が満開になりそうですね。

さて、昨日の夜からちょっと熱ぽかったので、今朝は軽くピザトースト1枚と風邪薬を飲んでから、雨の中を散歩してきました。頭が少しくらくらしながらも、よく歩けたものだと自分でも感心しています。

途中、図書館に寄り、一週間前に借りていた本と引き換えに予約していた本を借りました。早速、喫茶店で読み始めると、それが何ともつまらない。しかし、折角借りているのだからと辛抱しながら3分の1ほど進んだところで、そのつまらなさが限界に達したので読むのを止めました。

それが、この本です。三島由紀夫の「不道徳教育講座」というエッセイ集。


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このエッセイ集は、
私が生まれる前に「週間明星」に連載されていたもので、単行本で刊行された十年後に三島由紀夫は市ヶ谷の自衛隊駐屯地で壮絶な最後を遂げています。

三島の有名どころの作品はほとんど読んでいたので、それだけに期待をしていたのですが、面白くなかった。もし、このエッセイが書かれた頃に自分が大学生だったら、この本から多くの影響を受けていたように思います。この辺りが物語とエッセイとの違いかもしれません。

三島作品と言えば、数ある名作の中
でも、私が浪人時代に読んだ「永すぎた春」と、そして代表作の一つである「仮面の告白」が特におすすめです。

もしまだお読みでない方がいらっしゃいましたら、是非一度目を通してみてください。(たつや)


永すぎた春 (新潮文庫)

永すぎた春 (新潮文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1960/12/13
  • メディア: 文庫
仮面の告白 (新潮文庫)

仮面の告白 (新潮文庫)

  • 作者: 三島 由紀夫
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/06
  • メディア: 文庫




タグ:単行本 壮絶
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オリンピック開会式までに読んでおきたい本 [本]

先日土曜日に借りた本が(私には)つまらなかったので、3分の1ほど読んだだけで翌日の日曜日に返却しました。

開館5分前に自宅近くの図書館に着くと、おじさんがブルーのボックスを台車に載せて、たくさんの本を運んでいます。これは同じ区内の図書館の蔵書を予約した人の為に運んできたものだと思われます。私が頻繁に利用する自宅近くの図書館は、他の図書館に比べて規模が小さく、蔵書の数も少ないので、Webで予約する場合、その図書館にない本を他の図書館から移動してもらって受け取れるように依頼します。

先日、カミさんが樹木希林さんの「一切なりゆき 樹木希林のことば」を読んでみたいというので、予約をしてみたところ、258人待ちでした。貸出期間が2週間なので、258人×2週間(14日)=3,612日になります。ざっと、10年後に借りれることになります。

運よく、予約している人の半数がキャンセルしたとしても5年後。もっと運よく、残りの半数の人の3人に1人が1週間で返却するとすると、それでも4年後。さらに運よく、区立図書館の予算が取れて3冊増えたとすると、今日から計算して、オリンピック開会式の1か月前に借りることが出来る。おそらく、その頃にはカミさんも私に頼んだこと自体を忘れていると思います。なお、この計算が合っているかどうかについては、全く自信がありません。悪しからず。

最後に日曜日に借りて来た本がこちら↓↓。これは、面白い! 聖子先生のご冥福をお祈りします。

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皆さん、今週も頑張りませう!(^^)/~~~


老いてこそ上機嫌 (文春文庫)

老いてこそ上機嫌 (文春文庫)

  • 作者: 田辺 聖子
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2017/05/10
  • メディア: 文庫




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秋の夜長にこの一冊!「本屋さんのダイアナ」 [本]

まずは、先般の台風により甚大な被害に遭われた皆様に、心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧をお祈りいたします。

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さて、漸く秋が近づいて参りました。秋と言えば、スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋、そして私が一番好きな季節、こまたつの秋?ですね。私は早速昨日この秋を先取りして↑↑1冊の本を読んでみました。柚木麻子さんの『本屋さんのダイアナ』です。こちらは2014年に直木賞候補になり、当時TVや雑誌等で多く取り上げられ、かなり有名になった作品です。ただし、残念ながら直木賞受賞は見送られています。ご参考までに、その時の選考委員による評価は次のとおりです。

浅田次郎先生:
二人の少女の生活環境に、すこぶる類型的な設定をしたため、作家の想像力がかえって働かなくなってしまった。また、子供から大人になるまで、彼女らに精神的な成長が感じられないというのは、リアルな現実かもしれないが、小説の世界ではひとつの約束事として、登場人物は何らかの変容をしなければ読者は納得しない。

東野圭吾先生:
読んで共感できる女性は多いのではないか。だがもしもっと読者の幅を広げたいなら、視点人物の内面だけでなく、年齢や性別の違う脇役たちの心理をもっと深く想像するべきだと感じた。

林真理子先生:
二人の少女が成長し、別々の場所で闘おうとしている。「赤毛のアン」や本に対するオマージュも好感が持てる。それなのにやはり積極的に推そうと思わないのは、根本にある著者の幼なさのせいだ。人生に対する真摯さがもっと描かれていないと、小説はひよわになってしまう。

高村薫先生:
軽やかな少女小説仕立てになっているが、小説のリアリティには乏しい。主人公の母親や謎の父親をはじめ、あまり練られていない表現が、稚拙な人物しかつくり得ていないためだろう。

(その他諸先生の評価は省略)

やはり、大先生達の文学目線からすると物足りないものに映ってしまうのか、大変手厳しい評価ばかりです。とはいえ、彼女の作品はその後何度も候補に挙がっているようなので、そろそろ受賞の日も近いのかもしれませんね。にわかファンの一人として応援しています。

私の感想といたしましては、最初の何ページ目かで「府中競馬場」「大穴(ダイアナ)」「青葉賞」というキーワードに一気に心が奪われてしまい、面白くて、面白くて、あっという間に読み終えてしまいました。もしお読みでない方がいらっしゃいましたら、この秋の夜長に是非トライしてみてください。読む価値あり!

以上、私のおすすめの一冊でした。おしまい (^^)/~~~








幹事のアッコちゃん (双葉文庫)

幹事のアッコちゃん (双葉文庫)

  • 作者: 柚木 麻子
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2019/09/11
  • メディア: 文庫


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わたしのおすすめ in オータム [本]


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令和元年10月28日(月)
今日は久しぶりに爽やかな青空でした。ただ明日はまた雨だそうです。このところの台風、大雨にはただただ驚くばかりで、人間の無力さを感じずにいられません。それでも知恵を絞って大事に至らないよう上手に付き合っていくしか方法はなさそうですね。

さて、今日はこの間図書館の芥川賞フェア棚で見つけた二冊の本をご紹介します。いずれも有名な作品なので既にご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、私は初めて読みました。村田紗耶香さんの『コンビニ人間』(第155回芥川賞)、青山七恵さんの『ひとり日和』(第136回芥川賞)、読んだ順。


コンビニ人間 (文春文庫)

コンビニ人間 (文春文庫)

  • 作者: 村田 沙耶香
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/09/04
  • メディア: 文庫


ひとり日和 (河出文庫)

ひとり日和 (河出文庫)

  • 作者: 青山 七恵
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2010/03/05
  • メディア: 文庫

この二作に共通する点は、ともに若い女性の目線で捉えた日常が描かれているというところです。まず『コンビニ人間』は中盤から声を出して笑ってしまいました。芥川賞というのは純文学の新人に贈られる賞なので、複雑で小難しいものと思いきや、全く逆でメチャ笑えます。まじで……

一方、『ひとり日和』は淡々とした日常の中にすぅーと溶け込んでしまいそうな錯覚を覚えました。とても繊細でしんみり、いつの間にか主人公を応援している自分に気付きました。こちらもまったく小難しくはありません。因みに私はこの二冊を通勤電車の中だけで完読しました。なのにストーリーも人物も情景も一度も途切れることなく、読み始めの二、三行で元の世界に頭が戻っていました。優れた作品というのは、そういうものなんでしょう。

お手に取る機会がございましたら、ぜひご一読ください。まだまだ秋ですよ! (^^)/~~~








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