(今日の渋谷は曇り空)





今日はまだ発表されていないが、おそらく都の感染者数は200人を超えているだろう。しかし第一波がおさまりかけた時期から通勤電車はほぼ満員に戻り、最近は夜の会食も増えつつある。

さすがにここまで長く続くと危機感が薄れてしまうのか、それともただの風邪に過ぎないと皆が悟ってしまったのか。そのへんは定かではないが、日本人の心持ちに変化があったことには違いない。それでもマスクをしている人の割合は依然として100%に近い。かくいう私もマスク着用の義務感には逆らえないでいる。子供の頃から、むきになっても周りと違う行動をしてしまう困った性格の私でさえが、マスクは外せないのである。あの憎きウイルスは天邪鬼でさえも改心させてしまうのか。

外したい!っと思った。

会社帰りに久しぶりに立ち寄った公園のベンチに座り、マスクを外した口にいきおいよく缶ビールを流し込んだ。ちょうどその時、私の前をマスク姿の男性が通り過ぎ、隣のベンチに座った。彼は白のワイシャツに黒のリュックを背負い、片手には酎ハイのロング缶を持っている。

プシュ!



男性はマスクをアゴまでずらし、一口含むだ。すると、マスクを元に戻してゴクリと喉に流し込む。すかさず、缶酎ハイを持った手とは別の手でマスクをずらし、二口目を口に入れた。そしてマスクを元に戻してゴクリと飲む。 ここまでくるとマスクは下着と同じ、必要な時だけ外すという日常かけがえのないものに定着したのかもしれない。どうりで最近では下着に負けず劣らずいろいろな形や絵柄のものが増えてきている。

彼はまたマスクをずらし、三口目を含んだ。 私はてっきりその一連の動作が続くものと横目で眺めていたが、その後はマスクを外し、片手にマスクをぶら下げたまま、缶酎ハイを飲み干した。―― そりゃ~、そうだよな!

この秋は、そろそろ不自然な状態が自然な状態にもどるコロ、ナのかもしれない。おわり




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