先週の散歩中のお話
その日予定していた折り返し地点まで2キロを切ったところで、私はパブロフの犬のように用を足したくなった。
これは犬が食事を知らせるベルに反応するように、公園にあるお手洗いが私の視線に入ったことによる条件反射である。
私の数十年にわたる新宿を起点とした生活の歴史において、優に100回以上は訪れたことのあるトイレであるはずなのに、なぜかその日の私は演技を始める前の操り人形のようにトイレの前で立ちすくんでいた。
自らの錯覚を疑い、周りを見渡すが、トイレの位置に寸分の狂いもない。私の背後で歓声を上げながら公園を走り回る子供たちに視線を送る。スマホを覗く。時間は午後2時。私は自らの手を見つめ、思いっきり手の甲をつねっみた。
「痛たい!」
現実であることを認識した私は顔を上げ、再びトイレを凝視した。
☆ ☆ ☆
いや~、びっくりしました。いつの間に子供専用に変わってしまったのか!私はすんなりと中に入っていくことが出来ませんでした。おじさんは、昭和生まれの列記とした「男」だが、郷ひろみでもなければ、「おとこの子」でもない!
もしもこの時、尿意が強くなければ、大人は入れないものと勘違いして、通り過ぎていたかもしれません。結局、私は生理反応には勝てず、中に入ってみると、以前と変わらない大人用の便器があり、ほっとしたのでした。めでたし、めでたし。
(トイレ内部の風景)
(公園事務局の皆さまへ)大人も使っていいよって、書いといて! おしまい。(^^)/~~~