ある朝、コマツさんはその日の午前中に健康診断の予定が入っていたため、朝食は取らずに、洗面所で歯磨きをしていた。次男用のお弁当を作っていたコマツさんの妻は、今朝、寝坊をしてしまって「時間がないわ、時間がないわ」としきりに焦っている様子。その内、台所からガッシャーン!というけたたましい音がした。

「あっちゃ~、参ったなぁ~」

「まっ、いいかっ、今日はこれで!」

漸く、その言葉で彼女の慌ただしい朝のルーティーンが終わった。コマツさんは、「これ、あまったの」と、妻からビニール袋に包まれたおむすびとオカズらしきものを手渡され、家を出た。

コマツさんが午前中の健康診断を終え、クリニックの入った軍艦のようなビルのエントランスを出ると、コマツさんより先に診断を終えていた同僚の部長さんが待っていた。



「蕎麦でもどう?」という部長さんに、コマツさんは、「今日は珍しくお弁当なんだ」と答えた。

すかさず部長さんはニヤニヤしながら「へ~、愛妻弁当ですか?」



そこで二人は別れ、コマツさんは会社に戻った。ちょうどその時間が昼食時間帯だったということもあり、社内には透明なガラスで仕切られたミーティングルームに2、3人がいるだけで、コマツさんの席の周りには誰もいない。コマツさんは妙にほっとして、カバンを開け、ビニール袋の包みを取り出した。そしてビニール袋を横に引っ張るように思いっきり力を入れると、うっかり中のおむすびが飛び出てしまった。



おむすびは机の角にあたった勢いで、床の上をコロコロと転がる。コマツさんは追いかけるが、黒い画面のモニターが数台並んだPCデスクの下まで転んでいった。コマツさんはPC手前の椅子をずらして奥を覗く。すると、忽然と目の前にマンホールのような穴が開き、おむすびはその穴に落ちてしまった。



「嘘だろう?!」



コマツさんはあまりにも突然の出来事に冷静さを失い、さらに奥に潜り込もうとした、その瞬間でした。コマツさんは頭から吸い込まれるように真っ暗な穴の中に落ちてしまったのです。






落ちた先では、たくさんのネズミたちがコマツさんのおむすびを神輿のように担ぎ、「おむすびころりんすっとんとん」とみんなで楽しそうに歌っている。

すると、神輿の後ろから、白い大きな髭をたくわえた長老ネズミがコマツさんの前に現れ、短い挨拶を済ませたあと、貴方にお礼がしたいと言う。動揺が収まらないコマツさんは、その申し出にどう答えて良いのかわからずにいると、その長老ネズミは大きく手を振り、耳に赤いリボンを付けた可愛いネズミを呼び寄せ、コマツさんの前に跪かせた。

顔を上げた赤いリボンのネズミは、コマツさんと手を繋ぐようにグラスを渡し、そのグラスになみなみとリボンと同じ色のワインを注ぐ。コマツさんは“もうどうなってもいいや”と開き直り、ワインを一気に飲み干すと、間を置かずに赤いリボンのネズミが、あ~んと口を開けるように催促する。それにつられてコマツさんが大きく口を開けると、芳醇な香りがするチーズが口の中にそっと納められた。暫くこの歓待が続いた。

コマツさんの酔いが程よく回った頃を見計らっていたように、長老ネズミの合図によって、大きな包みと小さな包みがコマツさんの目の前に差し出された。どちらかお好きな方をお選びください、と長老ネズミからの説明を受けたコマツさんは少しづつ冷静さを取り戻し、”そっか、この場面ね!”と何かを思い出したかのように手を打ち、小さい方の包みを手に取り、家に持ち帰った。



コマツさんは家で待っていた妻に今日一日の出来事を話し、お土産に貰った小さな包みを開けてみると、中にはたくさんの一万円札が入っていたのでした。



 


翌日、その話を聞きつけた社内で一番強欲だと評判の会長は、近くのコンビニで100円おむすびを買い込み、PCデスク下の穴におむすびを投げ入れた。そして・・・


 


☆  ☆  ☆


 



あれ?もしかして最後までお読みいただきました?これは、大変失礼いたしました。 最初は真面目に日記を書こうと思っていたんですけど、いつの間にかこんな展開になり申し訳ございません。(^^;


 


(ご参考)GWの損失を取り返すために節約を続ける小松さんの昼食風景



 



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