(2022年1月6日 東京の雪)



 


 今日はとりわけ寒い一日となった。明後日には東京にも雪が降り積もるそうだ。そんな寒い通勤の朝、私は身体を丸め、手術を3回も経験した左眼を守るために買ったライトカラーの度付きサングラスにマスクという出で立ちで歩いていた。三年も前なら警察に呼び止めらてもおかしくない雰囲気であったはずなのに、一向に周りの怪しむ気配を感じることなく、すっかり雑居ビルが立ち並ぶ道玄坂の風景になじんでいた。

とかなんとか、しれっと皆さまに超遅ればせながらの「本年もよろしくお願いします」のご挨拶です。

それにしても相変わらず、すっきりしない世の中ですよね。感染症は収まるどころかいまだ拡大の一途をだどっていますし、ウクライナはどうなるの? 台湾は大丈夫? って中でも何事もなかったように平和の祭典オリンピックが行われています。見違えるほど綺麗になったジャンプ女子選手の不運には同情しなくもありませんが、私の中では全く盛り上がってきません。頑張っている選手たちにはまことに申し訳ないんですけど……

そんな中、悲しいニュースが続きました。私の大好きな作家である石原慎太郎さんと北町貫多こと西村賢太さんが矢継ぎ早にお亡くなりになりました。10代のころから石原作品を愛読していたという西村さんの死は、石原さんの死と何かしらの因果関係があったのではないかと考えざるを得ないタイミングだったように思います。

簡単ですけど、最後に西村さんが『苦役列車』で芥川賞を受賞したときの石原さんと(もう一人私が大好きな作家)村上龍さんの評価コメントをご紹介して、お二人のご冥福をお祈り申し上げます。


石原慎太郎:この作者の「どうせ俺は――」といった開き直りは、手先の器用さを超えた人間のあるジュニュインなるものを感じさせてくれる。この豊穣な甘えた時代にあって、彼の反逆的な一種のピカレスクは極めて新鮮である。昔、池田得太郎の「家畜小屋」という作品を褒めた誰かが、「色の黒いの七難隠す」といっていたが、この作家の特性もそれに繋がるものと思う。


村上龍:相応の高い技術で書かれていて、洗練されているが、「伝えたいこと」が曖昧であり、非常に悪く言えば、「陳腐」である。作家は無意識のうちに、また多くの場合は無自覚に、現実と対峙し、作品はその哲学や人生の戦略を反映するのだ。新人作家に対し、このような注文をつけるのは、『苦役列車』が質の高い作品だとわたしが認めているからである。


  


皆さま、まだまだ厳しい寒さが続いておりますが、どうか幸多き春の門出となりますよう、遅ればせながら心よりお祈り申し上げます。(^^)/~~~



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