帰りの夜景 shibuya



 



これはネタになるかも?! などという余裕は全くなかった。

先週の水曜日、会社に着くなりLINEに着信を知らせる赤い丸数字
が灯っていた。

開いてみると、それはカミさんからのメッセージ。

「○○(次男の名前)、39℃超え、現在397分。やばっ!」

ついに目に見えぬ悪魔がわざわざ狭い横町を曲がって、我が家に舞い降りてしまったのか!

一昨日増設されたばかりの透明ガラスで覆われた大袈裟なシールド板に、深呼吸をする自分の横顔が映っていた。

私は暗澹たる思いを抱いたまま10時からの役員会に出席した。冒頭、議長である社長からウイルス対策について所感が述べられる。この春から実施されている出社時の体温測定などに加え、一時解除されていた出張制限が復活することとなった。加えて私の気持ちを逆なでするかのように20代の親族がいる人たちへの注意喚起がなされた。

呆然とする私の脳裏に先日アウトレットで購入したお気に入りのTシャツを着た次男の姿が浮かぶ。たちまちカミさんに話していた彼の言葉がテロップになって流れてきた。

「あいつ、あれ以来一度も学校に来ていないんだよ。オンラインも休んでるみたいだし……」

あいつとは、次男の友人のことである。私は一言も発することなく会議は終了した。

つづく



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こういう思わせぶりな終わり方は私のブログ志向とは異なりますので、結論を書かせていただきます。

熱が出た日の夜、カミさんと相談し当面の対応策を考えました。

1)
38℃以上の発熱が4日間続いた場合、(知り合いの)クリニックで治療をお願いする。
2)
それでも治らない場合は、そのクリニックを通じて、PCR検査センターに検査依頼を行う。

ということで、次男の症状をカミさんから詳細に聞き取ったうえで、翌日その知り合いの医師に電話しました。

医師からは、「のどの痛み、咳、鼻水がなく、下痢と腹痛であれば、アレの可能性は低い」「近くの処方薬局で漢方薬を貰って、二三日様子をみてみよう」と言うことでした。

少しだけ不安は和らぎましたが、それでも三日間は熱が下がらず、四日目にしてようやく375分まで下がりました。そして五日目には平熱に戻り、翌朝から大盛ご飯が復活していました。

☆  ☆

いや~、危なかった、一時はどうなるものかと……。会社に話をすべきかどうか、一週間ほどホテル住まいにしようか、はたまたカミさんにうつったらどうしよう、等々普段はのんきな私でもこれまで感じたことのない焦りと恐怖の一週間を過ごしました。

今回はたまたま上手くいきましたが、実際にPCR検査を受けることになった方々の心労たるや筆舌に尽くし難いものがあると思います。

ただただ一日も早くワクチンが開発されんことを祈るばかりです。最後に、マスクなしで看病し続けたカミさんにも感謝、感謝でした。皆さま、くれぐれもお気を付けください! おわり