皆様、こんにちは。いきなりですけど、『101回目のプロポーズ』というテレビドラマをご存知ですか?

実は私はそのドラマを一度も見たことがありません。ただ、その昔武田鉄矢さんのものまねを何度か目にしているうちに、それを知りました。今にして思うと、タイトルと役者さんを聞いただけで大体のストーリーが浮かんで来ます。101回目、プロポーズ、決してイケメンとは言えない武田さん……。試しに起承転結で表してみると、こんな感じになります。

もてない男が、あるとき偶然美しい女性と出会う(起)。一目惚れした男は執拗に女性に迫るものの、全く相手にされない(承)。そんなある日、例えばその女性が大怪我をする、あるいは重い病にかかる。一方、男は仕事上のトラブルに巻き込まれ、押しつぶされそうになる。それでも男は寝る間を惜しんで必死に女性を看病する。そんな献身的な男の姿に女性は次第に心を惹かれ、いつしか自分が恋をしていることに気付く(転)。その懸命の看病の甲斐あって、女性は無事退院。そして雨が降りしきるラストシーン。――こういうドラマのラストはほぼ雨か雪になる。男が放つ熱い思いを込めたプロポーズに、女性は涙をこらえながら差していた傘で男の視線をさえぎろうとする。と思った瞬間、傘は女性の手から離れ男に駆け寄る女性。二人は見つめ合い、きつく抱きしめ合う。落ちた傘は風に飛ばされて小さくなっていく。画面は二人のキスシーンに移り、カメラは徐々に高い位置に移動しながら降りそそぐ雨と抱き合う二人を俯瞰する。主題歌が流れて、めだたし、めでたし(結)。

ウィキペディアで調べたわけではないので、実際のプロットとは違っているかもしれませんが、大体こんなパターンだと思います。それとタイトルを「101回目」としたのも、このドラマがヒットした要因の一つだったのかもしれません。これがもし、10回、99回、100回、1000回……100万回ではダメですね。おそらく悩んで決めたであろう、スタッフさんたちのセンスを感じます。

と、かなり前置きが長くなってしまいましたが、何故そんな昔のドラマの話から始めたのかと申しますと、実は春先からスタートした当ブログが、漸く今回で101回目を迎えることができました。これもひとえに皆様のお陰でございます。言うなれば今日のブログは、『101回目のアップデート』ということになります。早速、これを記念してダイサボの仲間たちがお祝いに駆け付けてくれましたので、この場をお借りしてご紹介させていただきます。




 



「こんにちは!」「 ご無沙汰です!」


小さい方は見た目通りで「丸サボくん」。相方は見た目が如何にもサボテン、しかし本当は多肉という思わせぶりな「いかサボくん」です。二人の共通点は知り合ってから3年近くなるのに、全く変わっていないところ。まっ「無事これ名馬」ということで、元気でいてくれることが一番です。ついでに彼らを馬に例えるならば、「丸サボくん」はコロンとした体形なので短距離向き。対する「いかサボくん」は胴が長くスラっとしているので長距離向きといったところでしょうか。(競馬に興味のない方にはなんじゃらほい!)いずれにしましても、二人ともいつまでも元気で長生きしてほしいと願っております。

ぼ、ぼ、
僕らは死にましぇーーーーん!



☆  ☆  ☆
 


それでは本題、『選択ミス』 令和元年10月13日(日)

私は毎週土曜日、クリーニング店にワイシャツを出す。もうかれこれ20年近く同じクリーニング店を利用している。息子たちが小さい頃は、彼らの小遣い稼ぎにもなっていた。店員であるおばちゃんは若干全体的に劣化したように見受けられるが、20年前とほとんど変わっていない。微妙に長いピンク色の眼鏡チェーンをぶら下げたそのおばちゃんは、伝票を記入する時だけ眼鏡を付ける。

この2、3年、自宅前の通り沿いは中規模マンションの建設ラッシュが続いている。お盆前、自宅から100mほど離れた場所に2棟続けてマンションが完成した。それからしばらくして、そのマンション近くにあった一度もお客の出入りを見たことのないスナックがクリーニング店に変わっていた。お店の正面ウインドウには派手な色彩の張り紙が所狭しと貼ってあり、中でも「ワイシャツ、1枚100円」の大きな文字がやけに目立つ。おばちゃんちではワイシャツは1枚160円。おそらく、これでも十分安い方だろう。しかし減少傾向にある私の小遣いを考えると、この値段は魅力的だった。で、1か月前、その新しいクリーニング店に行ってみた。


「当店は初めてでしょうか?」

「まず年会費として、500円を頂戴しております」



おっと、いきなりナックルボールが。すぐさま、私は頭の中で年会費500円が従来の支出と比較して、何枚のワイシャツで償却できるかをはじいてみた。ざっと9枚弱((160円-100円)×9枚=540円)で元が取れる。計算結果にニンマリしていると、ピンク色の眼鏡チェーンをぶら下げたおばちゃんの笑顔が浮かんできたが、節約という文字で強引に打ち消した。



私は「はい、入会します」と難なくナックルボールを打ち返し、その日5枚のワイシャツを預けた。



入会から1か月が経ち、すでに年会費の償却は終わり、先週からついに利益が生まれる状況になっている。先日の土曜日があの大型台風の影響で臨時休業になっていたため、翌日に5枚のワイシャツと夏用のスラックス2本を持って行った。曜日が違ったせいか、カウンターの右奥から初めて見る店員が現れた。40代前半と思しきその女性店員さんは気持ちがこもっていないと一目でわかる作り笑顔で迎えてくれた。私は引換のレシートと会員カードを渡す。すると気持ちのこもっていない作り笑顔が、突如能面に変わる。そして抑揚のないトーンで話し始めた。



13時でタイムサービスになりますけど、今、出されますか?」



「は?」



「13時から15時までですと、通常1枚170円のところを140円でご利用いただけます」



「え? 170円のところって、どのへんのところですか?」



「あっ、失礼いたしました。今月の10日で100円サービスが終了いたしまして、通常170円になっております。ただし、タイムサービスの場合は……」



私はそののっぺりとした能面に見つめられ、背筋が凍りつくほど寒気がした。タイムサービスを除くとおばちゃんちよりも高い料金になってしまったのだ。にわかに私の頭にピンク色の眼鏡チェーンが胸元で揺れるおばちゃんが浮かび上がった。その笑顔は、間違いなく「はい、残念!」と言っていた。


すみません。つい調子に乗って、長くなってしまいましたね。もし最後までお読みいただいた方がいらっしゃいましたら、そのご厚意に深く深くお礼申し上げます。

関東地方は明日からまた雨だそうです。皆様、お気を付けください。おしまい ^^




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