まずは、先般の台風により甚大な被害に遭われた皆様に、心よりお見舞いを申し上げますとともに、一日も早い復旧をお祈りいたします。




さて、漸く秋が近づいて参りました。秋と言えば、スポーツの秋、食欲の秋、読書の秋、そして私が一番好きな季節、こまたつの秋?ですね。私は早速昨日この秋を先取りして↑↑1冊の本を読んでみました。柚木麻子さんの『本屋さんのダイアナ』です。こちらは2014年に直木賞候補になり、当時TVや雑誌等で多く取り上げられ、かなり有名になった作品です。ただし、残念ながら直木賞受賞は見送られています。ご参考までに、その時の選考委員による評価は次のとおりです。

浅田次郎先生:
二人の少女の生活環境に、すこぶる類型的な設定をしたため、作家の想像力がかえって働かなくなってしまった。また、子供から大人になるまで、彼女らに精神的な成長が感じられないというのは、リアルな現実かもしれないが、小説の世界ではひとつの約束事として、登場人物は何らかの変容をしなければ読者は納得しない。

東野圭吾先生:
読んで共感できる女性は多いのではないか。だがもしもっと読者の幅を広げたいなら、視点人物の内面だけでなく、年齢や性別の違う脇役たちの心理をもっと深く想像するべきだと感じた。

林真理子先生:
二人の少女が成長し、別々の場所で闘おうとしている。「赤毛のアン」や本に対するオマージュも好感が持てる。それなのにやはり積極的に推そうと思わないのは、根本にある著者の幼なさのせいだ。人生に対する真摯さがもっと描かれていないと、小説はひよわになってしまう。

高村薫先生:
軽やかな少女小説仕立てになっているが、小説のリアリティには乏しい。主人公の母親や謎の父親をはじめ、あまり練られていない表現が、稚拙な人物しかつくり得ていないためだろう。

(その他諸先生の評価は省略)

やはり、大先生達の文学目線からすると物足りないものに映ってしまうのか、大変手厳しい評価ばかりです。とはいえ、彼女の作品はその後何度も候補に挙がっているようなので、そろそろ受賞の日も近いのかもしれませんね。にわかファンの一人として応援しています。

私の感想といたしましては、最初の何ページ目かで「府中競馬場」「大穴(ダイアナ)」「青葉賞」というキーワードに一気に心が奪われてしまい、面白くて、面白くて、あっという間に読み終えてしまいました。もしお読みでない方がいらっしゃいましたら、この秋の夜長に是非トライしてみてください。読む価値あり!

以上、私のおすすめの一冊でした。おしまい (^^)/~~~


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幹事のアッコちゃん (双葉文庫)



  • 作者: 柚木 麻子

  • 出版社/メーカー: 双葉社

  • 発売日: 2019/09/11

  • メディア: 文庫