私は今、あるドラマに夢中だ。

主人公の二人は幼馴染。仮に一人をAとし、もう一人をBとする。二人は家柄が違うものの同じ地域に住んでいる。Aは小さい頃から近所に住むガキ大将Cに目を付けられ、執拗に虐められてきた。AがCに歯向かうことはまずない。CはAにとって強すぎるからである。それはAの生来の性格でもあるのだが、どんどん卑屈になり、また自意識過剰な性格がいっそう彼を嘘つきにさせる。

一方、Bの住む家はAの家と比較して地理的にガキ大将の家から遠くにあり、Bとガキ大将との接点はそれほど多くなかった。また、Bは生まれつき聡明で、性格が優しく、しかも喧嘩が強い。自然ガキ大将だけでなく、遠く離れた場所に住む強者達からも一目置かれる存在になっていた。こうなると、AのBに対する嫉妬心はさらに強くなり、それでいてAはプライドだけは異常に高いことから傲慢な振る舞いも目立つようになっていった。

ある日、AとBは映画に行く約束をして、公園で待ち合わせをすることにした。約束の5分前にBは公園に着いたがAの姿はない。昨夜から降り続く雨は台風の接近と共に強くなる。30分経ってもAが現れないので、Bはこの天候の影響でAに何かあったのはないかと心配になり、Aの携帯に電話した。繋がらない。Bはそれからほとんど10分置きに電話してみたが、留守電にさえ繋がらなかった。2時間が経ち、Bはずぶ濡れになりながらそれ以上待つことを諦めた。


(フリー画像から)






翌朝、台風一過の雲一つない青空が広がり、灼熱の太陽が照りつける中、Bが公園を歩いているとAがベンチでスマホを片手に誰かと話していた。BAの真正面に立った。しかしABを一瞥しただけで、組んでいた右足をBに向かって高く振り上げ、今度は左足を上に組み直し、同時に身体を横向きにした。

時折笑いながら電話は続いている。Bは「昨日、どうして来なかったんだ」と目を合わそうとしないAに向かって言った。Aは「面倒くさいのが来たので、電話切るね!」と言うなり、ベンチから立ち上がり歩き出す。二、三歩離れたところで、Bが「待てよ!」と後ろ向きのAに向かって短く言い放つと、Aは振り向きざまに、ポケットから白地に赤のストライプの入ったハンカチを取り出し、自分の目の前にかざす。ハンカチは振り子のように風に揺れ、間もなくAの足元に落ちた。次の瞬間、Aはハンカチを踏みつける。足首をねじりながら、何度も何度も踏みつける。ハンカチは乾ききっていない公園の土にまみれ、ゴボウのようになった。それは一年前、今日と同じような炎天下の日にハンカチを忘れたAのためにBが貸してあげたものだった。

☆ ☆ ☆

夏休みが終わり、二学期の初日に学級委員選挙が行われた。この学校の選挙は立候補者を募るのではなく、推薦により3名までを候補者とし、投票によって選出されることになっている。担任が推薦者の挙手を求めると、女子仲良しグループの仕切り役であるD子がE美を、続いてAがクラスNo.1イケメンであるFを、それぞれ推挙した。

AFの名を挙げると、教室内がにわかにざわつき始めた。なぜなら、この夏休み中にFにまつわる数々の悪い噂が学内に広まっていたからである。それはFが気の弱い年下の女子を集めてポケモンカードをカツアゲしていたこと、夏休みの読書感想文を三つ年上の姉に書かせていたこと、料金を払わずに市民プールを利用していたこと等々、次から次へと疑惑が浮上していた。彼は別名「たまねぎ男」と呼ばれるようになっていた。

ということで、このドラマは驚きの新キャラクター登場でますます面白くなってきました。

今後の展開が楽しみですね! おしまい (^^)/~~~
 

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