靴ひも [自由詩]
高層ビルの谷間に、わずかに揺れる月が浮かんでいた。
達也が人通りの少ない十二社通りでほどけた靴ひもを結ぼうとしてかがんでいると、彼の髪に触れんばかりに一台の自転車が通り過ぎた。途端に尻もちをついた。
達也はアスファルトの冷たさをお尻で感じながら、首を二、三度小さく横に振り、靴ひもを結ぼうと前かがみになった。コツ、コツ、コツ……、次第に靴音が大きくなる。目の前に小さな赤い靴と黒色のハイヒールが見えた。彼が見上げると、買い物袋をぶら下げた親娘が驚いた様子で速足で駆け抜けていった。
蝶々結びを作ろうとするが、思うようにいかない。
いつからだろうか、こんなにもひもを結ぶのが下手になったのは。中学の野球部では試合前にスパイクのひもをしっかり過ぎるほど結べたはずなのに。それから、何百回、何千回と苦も無く結んできた。彼の頭の中で蝶が舞い、また消える。夕方のアスファルトは達也の心まで冷たくしていた。
「きっと、靴ひもは生き物なのだ。心が通じ合う瞬間は、時に気まぐれなのだろう」
先日の飲み会後、新宿から歩いて帰った時のお話でした。おしまい (^^)/~~~
その時だけ、靴紐を結ぶのが下手になってたんですねぇ(⌒-⌒; )
飲み会の後だから、気持ちが通じなかったのかもw
蝶々結びをしようとして大抵が縦結になる私は
いつも気持ちが通じ合ってないみたいですw
by ニッキー (2019-11-07 20:27)
結ぶより、解くのが下手です。
端を引く前に、輪に指をかけると良いらしいのですが、
焦るとこんがらがって、コマ結び二重になります。
by hanamura (2019-11-08 05:45)
（ニッキーさんへ）
お陰様で、素面の時は難なく結ぶことが出来ました。(^^;
落ち着いてやればっていうこともありますが、
紐がほどけている時って結構焦るような時間帯じゃありません？！
いつもコメントありがとうございます。^^
（hanamuraさん）
マンスリーブログ、楽しみにしています。><
確かに、それありますね。団子になっちゃう時が・・・
コメント、ありがとうございます。
by 小松達也 (2019-11-08 13:40)